車が好きな方ならば免許合宿は憧れに向けての第一歩と言えるでしょう。
でも、私にとってそれは地獄以外の何物でもありませんでした。
私は大学3年生のとき、「今しか免許をとる時間がないから」という理由だけで免許合宿に行きました。
もとより家に車がなく、シートベルトの締め方すら知らなかった私は1日目から苦しい思いをしました。
初めて数日で一緒に行った友人に遅れをとり、このままいくと卒業予定日に卒業できないことは明らかでした。
しかも、私は大学の事情によって、予定通りに卒業しなければまずい理由がありました。
まず、恥を捨てて皆で統一していたマニュアルを辞め、AT限定免許の取得に変えました。
これについては教官からも「良い判断だと思うよ。あのままだと延泊確定だったし、実際マニュアルなんて必要ないからね。」と言われました。
ただ、これでやっと卒業日が当初の予定日と同じになる程度でした。
最大の試練は修了検定のときのこと。
なんと、L字クランクコースで脱輪してしまったのです。
私は脱輪から上手く戻った経験がなかったので頭が真っ白になりました。
しかし、ここで諦めてしまっては終わりです。
苦肉の策として土壇場で私はある作戦にでました。
…
結果、修了検定は無事合格しました。
その後も苦しい思いをしながらなんとか予定日に卒業…かつてない開放感を覚えました。
そして思いました。
「二度と車には乗りたくない…。」
あれからまだ私は一度も車に乗っていません。
…
教官ていつでもブレーキが踏めるように準備していますよね。
逆に言えば、危なくなればなるほど教官の足はブレーキに近づくわけです。
私はギアや横を見るフリをしながら、教官の足とブレーキの距離だけをひたすら見ていました。
教官の足がブレーキに近づくことがあれば、別の操作をとる。
ブレーキから遠のけばその動作を継続する…。
単純なことですが土壇場での自分の底力を知ることができた良い機会でした。